ブレない体制をつくる「意識」のマネジメント

ブレない体制をつくる「意識」のマネジメント

どうも、前職では地域おこし協力隊として北海道の白老町というところでガイド事業を行なっていた手塚です。

今回はその時に経験した、とあるマネジメント手法についてお話ししたいと思います。

多様なステークホルダーに囲まれて

「地域おこし協力隊」という制度は、国が人口減少や少子高齢化への対策として打ち出している、都市部から地方へと人材を受け入れ、地域活性化を図る仕組みです。そのため、地域おこし協力隊としては、将来的にその赴任した先の地域に定住・定着し、何かしらの事業を起こすこと(あるいは継承したり就職したりすること)が建前上は求められます。

私自身はというと、結果的に白老町に定住することは叶いませんでしたが、行政職員の方や地元の方々と協業して「町内インバウンド観光促進のためのガイド事業」という公的なプロジェクトを進めていく立場にありました。

協力隊個人としての目標と、町としての目標、地元の方々の目標はそれぞれ少しずつ異なっていく中で、いかにしてこのプロジェクトを遂行するか。ここで大事だったのが「第3ベクトル」すなわち、「共通の目的/目標」です。

最終的なゴールを意識できているかが大事

共通の目的や目標というのは、この場合でいくと「プロジェクトのビジョン」ということになります。「このプロジェクトを通じてどんな町を目指すか」を描いて提示することで、それまで微妙な利害関係にあったステークホルダーが「目指すべき町の姿」に向けて歩み寄り、積極的に意見を交わし合ってリソースを出し合い、プロジェクトが進み出します。

このとき大事なのは、どれだけ素晴らしい目標か、ではなく、どれだけ具体的に達成した様子をイメージできる目標か、です。例えば、活気のある町づくり、といったスローガンよりも、三年後には月3000人が町内を回遊し、年間で9人以上が移住している状態を目指すとした方が、それぞれの立場で具体的なアクションを想像しやすいです。ここが曖昧なままだと、それぞれの目標や利害、相手への気遣いや苛立ちなど、どうしても意識のベクトルはプロジェクトから外れてしまいます。

意識のベクトルをいかに揃えるか

これって実は会社の内部でも同じことが言えることだと思います。自分自身や先輩後輩、上司の社内の立場上の目標と、部門ごとの目標、それぞれちょっとずつベクトルは違ってきます。それでも最終的には一致する「会社としての目標/目的」に向かって、それぞれのリソースを保守するのではなく、お互いに出し合っていくことで会社の事業は進んでいきます。

同時にこれは、マーケティングロックスターが事あるごとに語っている「戦略と施策は別」という話にも通じてきます。

例えば、マーケティング部門の人であれば、営業部門とのミーティングで、なんの目的共有もなく、今月の施策のKPIについて話を始めるよりも、一旦全体的な戦略目標について明示し、それに基づいたレポーティングをしていった方が建設的な議論ができますよね。

このように、社内プロジェクトやミーティング、利害関係が少しずつ異なる者同士の集まりにおいては、ぜひ意識的に「共通の目的/目標」に立ち返って話をしてみると、よりオープンな議論が進んでいくでしょう。

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