マーケティングオートメーションの不都合な真実:その1

マーケティングオートメーションの不都合な真実:その1

〜その1:MAはマーケティング戦略に非ず〜

昨年、世界のマーケティングオートメーション(MA)界のリーダーであるMarketoが日本上陸を果たして以降、日本のマーケティングや広告業界では、MAが急速にバズワード化し始めました。
「何やら凄い革命が起きるらしい」「色々と自動化してくれるらしい」「いやいや、どちらかと言えばマーケティング統合プラットフォームと呼んだ方がいい」そんな話も聞こえてきます。
米国では6年ほど前から年々MAの市場規模が拡大していることを考えると、一過性のものではない事もわかりますし、日本上陸はむしろ遅過ぎたぐらいです。

実際、MAツールは大したものです。これまで人の手では対応不可能だったことが容易になり、ほんの数年前までは夢でしかなかった1-to-1のコミュニケーションも可能になりました。
オフラインも含めた複数のチャンネルを横断的に管理し、評価することもお手の物。
メール配信機能にプリミティブなスコアリング機能を合体させただけの「なんちゃってMA」でさえ、従来の仕組みに比べたら、なかなかどうして優秀です。

しかし、そんな浮ついた話に惑わされてはいけない、MAにとって不都合な真実というのも存在します。
その最たるものは「MAはあくまでツールである」という事実です。ツールは可能性を広げてくれる一方、戦略を考案し、施策を設計して実施し、PDCAサイクルを運用するのは、依然としてマーケターの重要な仕事です。

だから「MAを入れれば売り上げが上がる!」「簡単に導入できるから初めてみませんか?」などという甘い言葉が聞こえてきたら、要注意です。
「何をしたいか」という明確な戦略を欠いたままでは、導入したところで何の成果も得られず、出費を被るだけです。

そのような事態を避けるためにも、具体的にどのような施策をMAで走らせ、具体的にどのような結果を得たいのか、初期段階から戦略面でのプランニングをする必要があります。
弊社のようなマーケティングコンサルタントを起用してMAを導入する場合も、ツール以外の戦略提案を受ける事も重要になります。

「ツール」と「戦略」を無意識のうちに混同してしまうのは決して珍しいことではありません。
MAも他のツールと同様、施策に目的と目標結果があって初めて活かされるものです。

次回は、「自動化」にまつわる不都合な真実について書いてみたいと思います。

執筆者プロフィール

池上ジョナサン
池上ジョナサン
株式会社ルシダスの代表にしてマーケティングロックスターを自認しており、経営とマーケターの二足のわらじでお客様の課題解決に邁進する…[続きを読む]

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