北海道から目指すは世界!! きのとやの甘〜い躍進

北海道から目指すは世界!! きのとやの甘〜い躍進

「ダイエットは明日から!」と毎日心の中で宣言し続ける、ルシダスのライター・石田です。

さて、ダイエットの敵といえばスイーツ。
そしてわれわれルシダス社員が棲む北海道は、スイーツ王国。orz

そんな素晴らしい土地に移住して以来、私の胸中にはあるモヤモヤが鬱積し続けておりました。

「北海道のお菓子屋って全国的にも知名度が高いのに、どうして京都や神戸のお菓子屋みたいに全国展開しないのだろう……」

たとえば老舗の「六花亭」(1933年設立 ・マルセイバターサンドは不動の北海道銘菓)や「柳月」(1947年設立・ 三方六は50年の歴史を誇る北海道版バームクーヘン)、「石屋製菓」(1959年設立・白い恋人を世に送り出した功績)などは、道内では十分に成功を収めていても、道外へのアウトバウンドには弱腰という印象が否めません。

……ちょっとばかし冒険心が足りなくないかい?(→余計なお世話)

そんな意外にも保守的な道産子菓子メーカーの中で、群を抜いてアグレッシブな成長を続けている企業が存在しました。

それが「きのとや」です。

この外壁を見るたびに、チョコ食べたくなるんですよね

ベースは起業家精神

経営者のほとんどはオーナーシェフという洋菓子業界にあって、この「きのとや」設立の経緯はやや異色。
創立者の長沼昭夫氏は、それまで洋菓子どころか製菓業とも全く無縁な人物
義父の持ちビルがテナントを探しているということで、「ならば自分たちでケーキ屋さんを」と思いつき、1983年に創業。

ゼロスタートでさっぱりケーキが売れない中、「ならばお客さんを待つのではなく、自分たちからお客さんのところに売りに行こう」という発想で、営業に出向いて予約注文を取り始めました。
これが、「お客さんが店に注文して取りに行く」のが当たり前であった当時の洋菓子業界において、日本初といわれる「デコレーションケーキの宅配」のビジネスモデルが誕生するきっかけでした。

以後、豊富な種類のデコレーションデザインや「手作り」にこだわった徹底的な鮮度管理で、当日来店の予約でも15分後にはバースデーケーキを持って帰れるようにするなど、さまざまな工夫が功を奏し、札幌の複数の大手百貨店からも出店の声がかかるようになりました。

今や売上高54億円、札幌市内9店舗、千歳空港1店舗(2016年現在)、一時は1店舗あたりのケーキの売り上げが日本一を記録するほどにまで成長しました。

クリスマスの日に予約クリスマスケーキが足りなくなる、サルモネラ菌の食中毒事故を起こすなどの経営危機を乗り越えつつ(このあたりは同社ホームページの沿革に包み隠さず掲載)、数々のロングヒット商品の販売に成功しています。

創業の地・札幌市白石区東札幌に立つ本店では、オシャレなカフェも併設。ここの店員さんたちは抜群のホスピタリティで、いつも感心します。

アウトバウンドへの果敢な挑戦

創業して30年以上になるきのとやですが、そのスタートアップの精神が後進の世代にも連綿と受け継がれている社風がうかがえます。

1. 海外展開を視野に入れた新ブランド展開

きのとやは2013年、「お菓子のスタートアップカンパニー」と題して新たに「Bake Inc.」を2013年東京に設立。

人気の「焼きたてチーズタルト」専門ブランド「BAKE CHEESE TART」を国内に17店舗、海外(韓国・中国・台湾・シンガポール・タイ・インドネシア)に25店舗展開(2017年10月現在)。

Bakeはこの他にも、スマホアプリなどで撮影した画像のデコレーションケーキを最短2日で発送できる『PICT CAKE』(年間3万台の受注を記録)など、合計8種類のスイーツブランドを全国展開しています(2017年10月現在)。

2. 横断的なブランディングの試み・さっぽろスイーツ

もう1つ、きのとやの男気を感じさせるのは、自社の枠組みを超えた地元の製菓業の底上げを図る活動です。

「北海道のお菓子屋さんが、自分たちが作っているものの価値に気づき、北海道スイーツの魅力を訴求していくべきだ」と創業者の長沼氏が音頭を取り、「スイーツ王国さっぽろ推進協議会」を立ち上げました。

そのアンテナショップとして、2009年「さっぽろスイーツカフェ」を札幌市の大通地下街にオープン。
札幌市内および近郊の洋菓子店が毎月約5店舗ずつ入れ替わって商品を提供することで、所在地などの理由でそれらのお店を知る機会がなかった消費者にも新たなスイーツを訴求する、という狙いです。

この協議会が毎年開催している『さっぽろスイーツコンペティショングランプリ』の受賞作品のレシピは、会員となっている洋菓子店に公開され、共通ルールを守りながら各店がアレンジを加えて、同じネーミングで商品を販売することができます。

 

ちょい地味だけど美味しくてコスパもよい「いちごプリンロール」はうちの定番おやつです

まだまだ可能性はでっかいよう

「道外のお菓子屋さんは『北海道産の原料を使っています』と自慢する。
ところが肝心の道内のお菓子屋さんは、これだけ原材料に恵まれている場所でお菓子作りができるメリットに、十分気づいていない

このきのとや創業者のお言葉、北海道の企業が本質的に抱えているウィークポイントを言い当てているのではないかと、私には聞こえてならないのです。

適切なマーケティングのインプットさえ得られれば、まだまだ成長の可能性はあるはず

……がんばれ、でっかいどう!

旭川の地において、地元の中小規模ビジネスから外資系大企業まで、幅広いタイプのクライアント向けに最先端のマーケティング戦略を提案し続けるルシダスでは、「北海道の企業ですが何か?」という地元企業の皆様からのご相談を、心よりお待ちしております!!

 

注記:

このブログを読んだ方は、「きのとやがルシダスのクライアントなんだろう」という印象を抱かれたかもしれませんが、あくまでこのケーキ屋さんのいちファンとして、私が勝手に記事を起こしたもの。
私どものお客様というわけでも、また先方から具体的に記事作成の依頼を頂いたわけでもございません。

ルシダスでは、ご要望に応じてこのような体裁でのコンテンツ執筆も承っております。コンテンツマーケティングに関するご相談、ぜひお聞かせください。

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