MarketoでSPF構成エラー！？どうして突然！？

今月リリースされた新機能により、週に1回、SPFやDKIMの設定に問題が発生していないかが自動でテストされ、問題が発見された場合はそのことが「通知」メニューから知らされるようになりました。
そのため、一部のMarketoユーザーで最近、エラーメッセージが表示されるようになりました。
実はこれは、最近になってエラーが発生したということではなく、ず〜っと問題があったのに気付いていなかったものが明るみに出たというだけですので、皮肉にも新機能が正しく機能していることの表れです。

Marketoの「通知」はここをクリックして見られます。

そもそもSPFって何？必要なの？

修正が必要ということはわかると思いますが、どれぐらい重要なことか、何のためにあるのか、あまりピンとこないと思います。
そもそもSPFが何なのか、というところから説明しますと、SPFとは「Sender Policy Framework」の略で、メール配信に関するメール送受信者共通のルールのひとつです。
元々、性善説に基づいて設計されているメールの仕組みでは、容易に送信元を偽ることで迷惑メールや悪意のあるメールを送信することができます。
そこで、受信者側は自己防衛策として、ネットワーク上の送信元アドレスと、メール送信者が自己申告している送信元アドレスを比較し、この二つが合致しない場合は迷惑メールと判定をし、受け取り拒否等のブロックをします。

送信元のネットワークと、使っているアドレスが一致している場合は問題ありません。
しかし、Marketo利用時のように、正当な理由により送信元サーバーのアドレスと自己申告している送信元メールアドレスが異なる場合があります。
そこで、容易には改ざんできないDNSに「この第三者アドレスだけは例外的にうちのドメインを語ってメールを送ることを許可していますよ！」というレコードを作成します。
これが「SPF」であり、受信メールサーバーがこれに対応している場合は、不一致を起こしていても正しく受け取ってくれるようになります。

正しく設定されていないとせっかく送ったメールも迷惑メールに分類されたり、最悪の場合は送信元がブラックリスト化される可能性もありますので、エラーが出ている場合は早急に対策が必要です。
SPF設定はDNS設定の専門知識を必要とするため、通常はIT部門に依頼をして解決をする必要がありますが、IT管理部門がないなどの事情でどうしても自分でやらなければならない場合、以下を参考にしてください。

代表的なDNS設定方法

メールサーバーをFQDN（完全なドメイン名）で指定する場合

[御社ドメイン]. IN TXT “v=spf1 mx a:[メールサーバーのFQDN] include:mktomail.com ~all”
例： kaisha.co.jp. IN TXT “v=spf1 mx a:mx.kaisha.co.jp include:mktomail.com ~all”

メールサーバーをIPアドレスで指定する場合

[御社ドメイン]. IN TXT “v=spf1 mx ip4:[メールサーバーのIPアドレス] include:mktomail.com ~all”
例： kaisha.co.jp. IN TXT “v=spf1 mx ip4:203.0.113.111 include:mktomail.com ~all”

SPF構成のチェック

DNSの修正設定が完了し、設定内容が正しく反映されたら、Marketoから確認することができます。

「管理」メニューから「メール」を選択し、「SPF/DKIM」タブを選んだら、対象のドメインを選択して「DNSの確認」をクリックするだけです。

構成に問題がある場合は、以下のエラーメッセージが表示されます。

問題がない場合は、このようなメッセージが表示されます。

DNSサーバーのSPF設定確認方法

なお、自社のDNSサーバーにおけるSPFの設定は以下のサイトで確認することができます。
https://toolbox.googleapps.com/apps/dig/

ドメイン名（www等はつけない）を入力して、「TXT」タブを選ぶだけです。

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